総合防災訓練・防災研修会を隔年で開催していて、昨年は感染症の影響で総合防災訓練は中止しましたが、今年の研修会は予定通り開催出来ました。研修会では藤心地域で想定される被害状況(地震・風水害)や現在作成中の「避難所運営の手引き」の概要が説明されました。
研修には各町会の会長と避難所運営推進員、柏市防災安全課、学校教育部、避難所となる施設管理者として藤心小学校校長、近隣センター長、ふるさと協議会の会長、副会長、防災安全部の部長とワーキンググループ(この日の会合の資料作成を始め全てのお膳立てを行った)の方々が総勢31名の参加でした(逆井中学校は学校行事が有り不参加)。
柏市防災安全課より柏市で最大限の被害をもたらす可能性がある地震を想定して、柏市地域防災計画の前提となる調査結果を平成31年3月に報告書にまとめてHPに公開しています。また、市民の防災意識向上を図るため、地震や風水害の地域別防災カルテを作成して同時に公開しています。この資料の「藤心地域」のカルテに記載された地震や水害などの被害想定が説明されましたが以下地震災害について少し詳しく触れます。
調査結果では、冬の18時に柏市直下地震(M7.3)が発災した場合の藤心地域の被害は、建物の全半壊約400棟、焼失棟数約300、避難所避難者約1,400名が想定されています。現在この地域には4か所の避難所がありますが、それぞれの収容人数は逆井中学校(体育館、武道館)217名、藤心小学校(体育館)147名、藤心近隣センター87名、南部老人福祉センター106名。合計557名(当ふる協で2㎡/人として試算した収容可能数)です。従って想定されている避難者数に対し40%しか収容できないことになります。コロナなどの感染症対策として家族単位で隣との間隔を設ける場合は、さらに収容人数は少なくなります。避難所が学校の場合は教室の活用など行えば、もう少し収容人数を増やせるでしょうが厳しいものがあります。
現状の指定避難所を想定して過去の13町会長に予め利用予定(指定ではない)避難所をどこにするかを調整していただきましたが、結果として必ずしも近くにある避難所にならなかった町会もあります。この点について研修の後半で議論がありました。実際の発災時の被災者の行動は、自分の町会での利用予定避難所を知っており体力に余裕がある方々は離れた避難所でも向かって頂けるでしょう。でもこうした情報を持っていない町会未加入者・地域外被災者や災害時要配慮者(高齢者・乳幼児・妊婦・障害のある方など)は近くの避難所に避難するものと思われます。避難所は来る人拒まずが原則ですが収容人数に限りがある以上、入り口で押し問答や混乱があることも想定しなければなりません。また余震を恐れて避難所に来る方も大勢おられるでしょうから問題は更に大きくなることもあるかも知れません。更に避難所の収容人数だけでなく備蓄される飲食量、備品量も明らかに少ないのが現状です(柏市は3日以上の飲食料備蓄を推奨しています)。
挨拶の冒頭に私は、今日配布された資料を持ち帰られたら町会の自主防災組織メンバーと読み合せるなり、近隣の方達の様子を考慮した避難行動がどうあるべきか話し合って頂きたいと申し上げました。何度も申し上げてきましたが大地震はいつ発生するか知れませんが30年内に起きることは間違いないことでしょう。また想定を越える巨大地震の可能性も十分にあり得ます。
コロナ禍が少し鎮静化してきましたから、是非町会内で防災をテーマに自らができること、お互いが協力してできることなど話し合って頂きたいものです。
参考情報として研修で使われた防災カルテ藤心地域版を添付し、柏市の地域防災計画令和3年3月版(PDF)のURLをお知らせします。
https://www.city.kashiwa.lg.jp/documents/45/chiikibosaikeikaku202103.pdf
研修会、ご苦労様でした。
発災したときの避難行動はいざその時になってみないと分からないことが多くあると思います。ですので常日頃の問題意識の構築が非常に大事になってくると思います。